「堀川シャチ写 真展レポート」 2000年6月 安井幸代 |
今年2月21日、名古屋港にシャチがやってきたことを覚えていますか?約2mもの
凛々しい背びれを持つ、体長約7.5m、年齢20歳前後(注1)の立派なオスでし
た。22日には、名古屋市内を流れる堀川を約3km遡り、宮の渡し公園(熱田区)
付近に1泊。23日には朝からシャチ救出作戦(注2)が始まり、午後1時頃、シャチは堀川水門を越えて海へ戻りました。 名古屋港水族館シャチ飼育計画について考える集会を開こうと準備を進めていたとこ
ろ、偶然にもこの事件が起きました。そして、シャチ飼育計画の現状とシャチという生物について、広く人々に知ってもらうことを目的に「堀川シャチ写
真展」を企画しました。 堀川シャチは決してメッセージを携えてきたわけではありません。しかし、もう一度 立ち止まって考えるチャンスをくれたことは確かです。私達一人一人が、この事件をどのように受けとめ、どのように行動するかが大切です。 あのシャチのことをそしてあのシャチを伊勢湾へと帰してあげたいと感じた自然な気持ちをどうか忘れないでいてください。 そして、今、新たに起ころうとしている事件を傍観せず、市民・県民の立場からさら に議論を盛り上げていきましょう! 注1) 水族館関係者らによる発表では、体長約5mの5〜6歳のオスということでしたが、初歩的なミスです。 注2) 愛知県、名古屋港管理組合、名古屋港水族館、南知多ビーチランド関係者ら が5隻の船を出動させ、水中に入れた金属パイプをたたきながらシャチを追いたてる 作戦。この方法は、イルカなどの追い込み漁で使われます。 注3) 尾びれで水面をたたく動作のこと。 注4) 1969年に捕獲され、現在もカリフォルニアのシーワールドで飼育されて いるシャチの名前。ポール・スポング博士を中心に、世界中で解放運動が展開されています。 |
*本文の著作権は著者本人に帰属します。無断転載は固くお断り申し上げます。
Copyright (C) Kangaerunakama. All rights reserved.