名古屋港水族館で、鯨類の飼育を主な目的とした北館がオープンしたのは2001年11月1日、今年で10年になります。主役となるはずだったシャチの入手が間に合わず、ベルーガとバンドウイルカの2種類の飼育でオープンしました。現在ではカマイルカが加わり3種類が飼育されていますが、北館の主役と期待されたシャチを飼育した期間もありました。これまでに雌シャチ「クー」を繁殖研究目的で借り受け、死亡するまでの約5年間飼育し、その後、雌シャチ「ナミ」を5億円で購入して研究継続を目指したものの、約7ヶ月で死亡する結果となりました。

 水族館で鯨類、特にシャチを飼育するとはどういうことなのか。多くの研究者たちの永年の成果で、シャチの海で暮らす姿、本来の生態がわかるにつれ、水族館でシャチを飼育することの問題点もわかってきました。
 今回、シャチの生態調査に関わった経験をお持ちの方と、これまで水族館で鯨類を飼育する事の問題点を訴えてきた方、お二人をお招きして改めて水族館でシャチを飼育することを考える機会を持ちます。

日時
2011年8月28日(日) 14:00〜16:30(開場13:30)
場所

愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
1306会議室
〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38
Tel (052)571-6131
http://www.winc-aichi.jp/

定員
36名 ※入場無料
主催
名古屋港水族館を考えるなかまたち
共催
イルカ&クジラ・アクションネットワーク
http://homepage1.nifty.com/IKAN/index.html
後援
シャチ・ドット・ジェイピー  http://sha-chi.jp
問合せ先
名古屋港水族館を考えるなかまたち
 
シンポジウム『シャチと水族館 〜シャチを水族館で飼育する、ということ〜』
14:00~14:05
14:05~14:45
14:50~15:30
15:40~16:30

挨拶
講演1:佐藤晴子
講演2:倉沢七生(イルカ&クジラ・アクションネットワーク)
総合討論

   
講演者紹介
佐藤晴子
1999年開始の極東ロシアオルカプロジェクト(FEROP: The Far East Russia Orca Project)の創始メンバーの一人、および2005年まで現地調査に従事。1995~2010年、北海道東部の知床・根室海峡にてホエールウオッチングのネイチャーガイドとして勤務。野生のイルカ・クジラの生態観察を続け、各種報告を行う。野生のシャチについて、「オルカ入門」(E.ホイト著、どうぶつ社、1999年)の翻訳、「2006-2008年の偶発的な目視観察に基づく知床・根室海峡に出現したシャチの写真識別カタログ」(2009年)などの著書があり、2012年に同カタログの更新報告を予定。
(ウェブサイト http://www.slw.jp 参照)。

倉沢七生
イルカとクジラに関して、野生から水族館における飼育まで、さまざまな問題に取り組むだけでなく、北海道洞爺湖サミット(2008)や生物多様性条約第10回締約国会議(2010)では、NGOのネットワーク組織に参加するなど、海に関わる幅広い活動を展開。名古屋港水族館の、鯨類の飼育・展示を目的とした北館に関しては、建設計画当初から問題点を指摘。特にシャチに関しては、シャチ飼育の代案として、ロボットシャチの導入を提案するなど積極的に活動し、今も強い関心を持ち続けている。

 



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